前回は、ベトナムへ進出した製造業を営む会社について紹介させて頂きましたが、今回はベトナムで人気上昇中の日本の健康食品やドリンク剤など食に関する内容についてお話したいと思います。
その前に、ベトナムの物価について少し触れたいと思います。
日本と比較しますと大変物価が低く、街中のスーパーなどで購入する食品や飲料類は3分の1以下といったところでしょうか。
ベトナム人にとっても、外食は安いとのことで、朝ごはんはわざわざお店に出向いて済ませる人も多く、これも日本とは異なる食文化だと思います。
早朝から朝食を食べに来るお客さんのために飲食店で働く人達の姿が路上で見ることができますが、とても活気付いていて風情がありベトナムらしいです。
それから、ベトナムを訪れた際に、目ぼしいものがあるならば、街中のスーパーマーケットやお土産やさんで購入されるのがオススメです。
帰国の際、国際空港に入った途端にレストランやお土産やさんでの価格は、外国人向けにほぼ日本と同じくらいに設定されていますので、その差に驚きます。
余談ですが、スーパーでの視察は現地の人たちの食習慣や嗜好を知るための良いマーケティングにも役立ちます。
またベトナムでは、米粉で作られたフォーやブンという麺が大変有名ですが、その他にインスタントヌードルのカップ麺や袋麺も国民に人気が高く味も美味しいので、日本へ持ち帰るお土産品にもオススメです。
ちょっと面白いと感じられたのは、プラスチックの折りたたみフォークが同封されており、さすがベトナム人、細かいところに目がいくのだなぁと感心してしまいました。
物価について触れさせていただきましたが、日本とベトナムの間にこの様な価格の差があるにも関わらず、ベトナム人には日本製の健康食品などが大人気で、急成長している分野のうちの一つです。
特に女性からは、コラーゲンなどの美容成分の入ったものが好まれている様です。
健康食品と同様に、日本の有名ブランドの化粧品もベトナム人女性に爆発的人気で、路上にはこれらの商品を取り扱うお店が急増しており、健康や美容に関心の高いことに加えて、日本製が大変好まれていることがうかがえます。
奈良県にある製薬会社は、奈良県の伝統産業である医薬品に加え、近年健康食品などの製造・販売を行い、近年はベトナムを皮切りに、東南アジア向け輸出拡大に取り組んでおられるようです。
同社は元々、バブルが弾けた直後から海外への輸出に取り組み、20年以上台湾企業を取引先とし、海外展開拡大の基礎を築いておられます。
日本の国内市場は人口減少に加え、ドリンク剤市場が減退傾向にあることなどから、今後の成長を望めないと見据えて、セミナーや商談会等に参加しながら市場の情報収集にも努めているそうです。
市場規模を考えると欧米を抜きに海外展開は考えられないものの、瓶入りドリンクの受容性を考え、東南アジアは基本的に親日的で日本製品の人気も高く、多くの引き合いを受けていたことが東南アジアから開拓をすることのきっかけであったそうです。
市場の状況やニーズ把握のため、事前にマーケット調査サービスを利用しつつベトナムでの商談会にもされております。
この様に、進出先でどれくらいニーズがあるのか把握するための地道な活動は重要なキーでありますが、商談が一度決まっても何らかの原因で商談が流れてしまったりすることもありますので、多国間同士の取引は一筋縄ではいかないのが現実です。
こちらの製薬会社では、専門家のネットワークを利用して紹介を受けた現地中堅製薬会社との出会いが良いきっかけとなり、取引候補先になったそうです。
その後商談を重ね、サンプル品の受注を受け、現在本格受注に向けて動いているそうです。
また、商談が決まった後の製品の輸出などの工程も輸入国の規制を調べたりと細かい業務も付随してきますが、地道に現地のパートナーとコミュニケーションを続け、信頼を得られることがこれらの壁を乗り越える要の一つなのではないでしょうか。