今回は、日本をテーマにした催事場を企画・運営するなどサービス業が
シンガポール進出された企業の事例を紹介させていただきます。
シンガポール紹介
さて、シンガポールといえば、昔から観光地としても人気のある東南アジアの一国です。
喫煙やごみを落とす等、公共の場を汚す行為に対して罰金を課せられたりと、規則が厳しいこともあり、とても清潔なイメージがあります。
面積は、719.9平方キロメートルに過ぎず、東京23区をやや上回る程度の広さです。
シンガポールの宗教は、仏教、イスラム、ヒンズー教、道教、キリスト教などです。
使用言語はマレー語が国語となっておりますが、英語、中国語、マレー語、タミル語を公用語としています。
シンガポール国民は、中国系、マレー系、インド系、その他で構成されています。
実に色々な宗教、言語、民族の人々で構成されている多様性に富んだ国家です。
また、シンガポールは世界でも有数のビジネス環境トップクラスの国でもあり、東南アジアの金融センターの役割を果たしています。
そのため、資金調達がしやすく、海外進出のスタートアップにはおすすめの国とも言われています。
日本テーマ催事場サービス企業のシンガポール進出事例
今回事例に挙げる企業は、シンガポールの催事場で日本関連商品の物産展や即売会、試食・試飲会、各種プロモーションが行える常設の催事スペースの運営を行っています。
今回の催事場企画は①シンガポールで和食チェーンを経営する企業と、②現地在住の日本人向けに日本語情報誌を発行している企業、③海外で日本を紹介するフリーマガジンを発行する企業の3社によるジョイントベンチャーによる企画です。
展開する事業を適切にプロモーションすることは海外進出するうえでとても大事な活動ですが、日本人向けの情報発信をできる企業、海外向けに情報発信をできる企業が揃い、上手にプロモーションを行うための理にかなった体制づくりをされています。
同社(日本テーマ催事場運営企業)がシンガポールを選んだきっかけが、既にシンガポールには日本食レストランビジネスを展開している事業母体があり、そのインフラを活かせることであったそうです。
まだ日本のものが進出していない国を探して、徐々に販促活動をする日本の企業もありますが、他社が既に進出をし、そのフィールドが現地に認知されているのであれば、商売の波に乗りやすいとも言えます。
さて、同社(日本テーマ催事場運営企業)の運営する催事場ですが、シンガポールの駅直結の、月平均500万人以上の人が利用するシンガポール最大規模のショッピングセンター内にあるそうです。
既に日本食レストランや、日本食材が買えるミニマートなどが集まるフロアの一角にオープンさせたそうです。
これだけ多くの人が利用し、既に日本食市場があり、集客に関してはゼロからのスタートではないので、かなり最適な場所です。
催事場スペースは11小間で、まだシンガポールでは知られていない、日本の商品やサービスを紹介し、その中から市場に受け入れられる商品を発掘、初期投資が不要な売り場を短期間で使えることが大きなメリットの様です。
また、ここでの日本の製品の魅力を伝える活動が、日本国内店舗での売り上げに結びつくなど、インバウンド需要の創出につながることもあった様です。
これまで海外進出コラムの別のコラムでも、製品やサービスを海外へ拡販させる方法として度々国際展示会についても触れてきました。
しかし、この催事スペースを提供するサービスは、展示会よりもより身軽に商品を宣伝し、市場調査ができる点や、常設である点が異なります。
この催事場マーケティングは今後、シンガポール進出を考えている企業からみると、展示会などでは捉え切れないB to Cの市場調査ができることが好評だそうで、とても頼りになるパートナーになってくれそうです。
この様なサービスを利用することで、自社製品に対する顧客の反響を直に見ることができ、シンガポールに進出するか否か、どの様な人に売れそうなのかなど、市場分析をすることができます。
又、シンガポールは投資家保護や税制面の優遇から、世界中の富裕層が集まる国でもありますから、海外進出を考える企業にとって、テストマーケティングの場として最高ランクに位置付けられているとのことです。
シンガポールは世界トップクラスのビジネス環境であることも見逃せません。
物流の中心としても発展しており、ASEAN(東南アジア)だけでなく、世界のゲートウェイです。
東南アジアのハブ都市として昔から浸透しております。
東南アジアの中の人、モノ、情報が行きかっていて、シンガポールに拠点を持つ多くの企業が、インドネシア、マレーシア、タイ、ミャンマー、ベトナムなどでもビジネスを行っているとのことです。
資金調達面以外の面においても、スタートアップに最適な国の様です。